生かせるか外国人材(1) 「日本ではもう探せない」(日経新聞)
[要約]
改正出入国管理法(入管法)の施行で新在留資格「特定技能」が認められてからどういう状況になっているか。
例えば、富山市にある大沢工業で働いているベトナム人のゼップの話である。
2018年まで技能実習生として働いていたが、日本に残る手立てがなくなり母国へ帰った。しかし、会社としては優秀な人材には残ってほしく、改正出入国管理法の施行日にすぐに証明申請を出して、「特定技能枠」として同年6月に再来日が可能となった。
この例のように労働人口が減少していく中で、「特定技能」外国人に期待をしている企業は少なくない。
店舗流通ネットというところでは、海外で人材を育てて日本へ送り出すということまで行っている。それほど、現在、外国人労働者の必要性が高まってきているのだ。
特に「特定技能生」は滞在期間が5年と長く、ノウハウなどを共有しやすい。
しかし一方で、制度面での課題が明らかになり、十分に生かされていない現状がある。
手続きがうまくいかなかったり、日本に送り出す際のルール整備や、二国間協議も遅れている。それによって日本語技能試験にも影響している。
ベトナムやフィリピンには日本語の実力が十分な可能性が多くいるが、このような整備不足から思うように受け入れが進んでいない状況だ。
「労働開国」はこれから始まる。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190708&ng=DGKKZO47064450X00C19A7PE8000
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私は移民による労働力の確保については大いに賛成である。
おそらく人口減少に歯止めが立たない中、日本経済を維持してくためには他国との協力なくしてありえないと思うからだ。
今や、ITの発達により情報、サービスが気軽にやり取りできるようになった。
この気軽さが労働力にも実現することが出来ることを願っている。
しかし、実現可能かといわれれば非常に難しいことだと思う。
IT社会の到来により情報そのもの、またその管理、通信について非常にどの国も重きを置くようになってきた。今の、米中の対立がそれを表しているだろう。
ただ、外国人を気軽に招き、そこで働くということはノウハウのような情報、また社内システムの管理方法などを知らせてしまうことになる。
ひと昔であればスパイのような形をとって行っていたことが、より手軽に可能になってしまう。
IT企業であればそれについて知られることは死活問題であるが、製造業にとっても自己のブランドが損なわれる可能性もある。
そこで気を付けるべきことは日本国内へ受け入れる際の審査である。
ただ、そこで完全に防ぐことが出来るかといわれれば、中々難しく、関係ない人も審査で弾いてしまう可能性もある。
そうなれば、各企業の情報の管理体制に期待するしかない。
外国人労働者に知らせるノウハウや情報は最低限のものにし、根幹の部分は自らで管理するといったようなことだ。
今でも政府はこれからの対応を模索しているが、双方を納得させられるような結論が出るであろうか。