高卒「1人1社」の壁 企業挑む 新規参入組、売り込みに知恵 教育手厚く、就業体験も
[要約]
近年、人手不足により高卒を獲得しようとする動きが活発になっている。
2019年3月卒の高卒の有効求人倍率は2.78倍と2年連続で2倍を超えた。
ただし、半世紀以上前から続くあるルールが採用の壁になっている。
「就職活動は1人1社まで」というルールだ。多くても数社までである。
大学生のように自由に複数の企業に接触するのではなく、教師から提示された数社から1,2社決めて選考を受けに行くのだ。
そのためITベンチャーのように採用実績がなく、教師とのパイプがない企業には高卒採用のハードルが高い。
そこで企業は合同企業説明会、学校訪問など様々な対策を行っている。
他にも、採用後の手厚い教育制度の整備や、通信専門学校の費用の負担など、魅力的な環境を整えている。
このような高卒採用需要の高まりに商機を見出す企業もある。
高卒採用支援を手掛けるスパークは企業向けに高校生のインターンのサービスを始めた。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190808&ng=DGKKZO48345510X00C19A8TJ1000
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この記事を見て、大卒採用と高卒採用にこんなにも差があるのだと感じた。
このような制度になっている理由は高校生にはまだ将来を考える力が弱いという考え方があるのだろう。
そのために教師が先導して企業を選び、そこから生徒が希望する企業に選考を受けに行くという形になっている。そうすることで何も考えずに怪しい企業に行くこともなく、また就職先を選ばず無職となる心配はない。
それには高卒の就職率99.40%というのにも表れている。
ただ、自分にはこの制度によって生徒の可能性を潰している可能性もあると思う。
まず、シンプルに選択肢が少なくなる。そのため良いマッチングが出来なくなる可能性がある。そのため高卒の3年以内の離職率4割という結果にもなっているだろう。
次に、生徒が自分から積極的に企業を調べに行くということをしないのではないかという心配だ。教師が生徒の適性を判断し企業を選び、生徒はその先生から聞かされる説明を鵜呑みにする。それが先生を通じた偏った考え方であることも知らずに。
最後に採用実績などを用いて判断するため、企業と学校の利害に生徒が巻き込まれかねないという心配点だ。
企業は積極的にうちに生徒を斡旋してもらおうとアピールを行う。それが金銭的なモノであろうとそうでなくても、学校はそれにこたえなければならず、その駒として生徒は使われるという立場になると考えられる。そうなるともちろん、ある程度自分の適性とは違えども就職してしまうこともあるかもしれない。
以上のような懸念を考えると、生徒の可能性を潰しているという主張も分かってもらえると思う。
ただ、やはり弱冠18歳では中々1人で判断を行うことは難しい人も多い。
教師という一番生徒に近い立場としてサポートすることは必要だと思うが、その一方的な意見に惑わされず、多様な考え方を知り、後悔しないような判断をしてもらいたい。