激戦動画配信 ディズニーが割安プラン 11月参入、3年契約で囲い込み(日経新聞)
[要約]
米ウォルト・ディズニーが11月から動画配信サービス「ディズニー+(プラス)」を米国やカナダで始める。
先日アメリカで開かれた「D23エキスポ」では独自作品を6作新たに発表した。
イベントで関心を集めたのが「ファウンダーズサークル」と呼ぶ特典で、会場で3年間の加入契約を決めれば、通常料金から3~4割の割引になり、月額4ドル弱となる。
ただ、動画配信サービスは今後さらなる激しい競争となる。
例えば、ディズニーと同時期に米アップルが月額10ドルでのサービスを検討している。
他にも、ワーナーメディアや、NBCユニバーサルも参入を表明している。
現在でもネットフリックスは加入者数を減少させており、その難しさが伺える。
ディズニーも十分なコンテンツや、制作能力があり競争優位に立っているが、今まで通りにはいかないだろう。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190826&ng=DGKKZO48974570U9A820C1TJC000
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私たちが動画配信サービスを契約するにあたって比較する点は
①価格、②コンテンツの質・量、③通信環境、④その他の機能
おおむねこの4つだろう。
さて、ディズニーはどれ程これらの点において優位に立てるのだろうか。
①の価格については割引なしの月額6.9ドルというという価格においてはそれ程他社との差別化は図れていない。しかし、イベント特典での3年契約で月額4ドル弱では業界最安値レベルで非常に魅力的だと感じる。
この料金設定がイベント限定や人数限定ではなく、通常時でも契約出来たら大きな顧客増が見込まれるだろう。
短期間で流動するこの業界において、長期契約はかなりの優位性が保てる。
②のコンテンツの質・量においてはもちろん十分すぎるだろう。ピクサー・マーベル・ルーカスフィルムなどの買収によりさらに幅が広がり、魅力的なコンテンツも増えた。
元々、ストーリーやキャラクターに熱心なファンが多いことから、その分の一定の人気は最初から確保できる。
③の通信環境においては、5Gが確立されれば全く問題ない事項となるだろう。その状況ではディズニーというよりは顧客がどの通信会社契約するかだ。
アメリカではスプリントとTモバイルの合併などで通信業界も荒れているが、どのような契約プランを打ち出すかなどがビジネスチャンスとなるだろう。
④のその他の機能では、今では漫画の読み放題のセットであったり、ポイント還元であったりと各社強みを生かした施策をとっている。
ディズニーの強みと言えば、圧倒的なコンテンツの人気に加え、世界中にある独自のアミューズメントパークである。その機能を活かすことで大きな優位となる。
例えば、ディズニープラスのオリジナルの作品のアトラクションを作り、乗った人がその世界観などに感動することから動画サービスへ繋げることも出来る。
また、直接的に、パークチケットに会員様料金を導入するのも大きな効果が期待できそうだ。
以上のように考えると、将来有望なサービスのように考えられる。
ただ、他の記事でも論じられているように、既存の映画事業との共食いを起こしかねない。そうなれば市場規模が縮小している映画よりも動画配信に集中して注力していくのも一つの手だろう。