中国スマホ銀行が農村席巻 AI審査1秒、融資1億人(日経新聞)
[要約]
今、中国でアリババ集団とテンセントが銀行業、主に融資業務で大きな転換をもたらしている。
それぞれ傘下の「スマホ銀行」からの融資により、銀行がない農村や担保がないために、銀行借り入れがしづらかった農村住民や零細企業にもお金が回るようになったのだ。
中国では日本とは比べ物にならないほどスマホ決済が普及している。両行とも利用者は10億人規模で、シェアは合わせて9割を占めている。
この決済データをAIを使って分析し、金額や返済期間、金利を自動的に算出するのだ。
また、公共料金の履歴を参照にしたり、SNSの内容の分析により反社会勢力への融資を阻止したりなど、それぞれの強みを生かして活用している。
現在は両行合わせて、融資残高が1700億元(約2兆5000億円)と多くなっている。
しかし、延滞によりスマホ決済が滞れば生活に支障をきたすため、不良債権率は1%にとどまっている。
この動きは中国経済の発展に寄与する一方でリスクもはらんでいる。
中国の家計が抱える負債が10年前と比べて、実質約3倍ほどに膨らんでる。
中国の金融リスクが高まることにより、当局も警戒を強めている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48438220Z00C19A8MM8000/
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投資を活発化させているという点で非常に魅力的なシステムだと思う。
GDP=消費+投資+政府支出+純輸出
という式はマクロ経済でおそらく初めにならう基本式だろう。
日本においては、消費は全く活発にならないし、増税がそれに拍車をかける。
また、社会保障費の負担により、政府支出もあまり期待できない。
また、円高により輸出産業も厳しい状況にある。
その中で、活路を見出せるとしたら、いかに投資を活発化させるかどうかだ。
そのために、少なからずこれらの中国企業からヒントを得られると思う。
日本はスマホ決済がまだ普及していなく、銀行に困るような農村地域もそこまで多く存在するわけではない。そのため、模倣するだけではうまくいかない。
そこでターゲットとするべきは十分な担保を持たない零細企業や個人である。
しかし、年金生活でギリギリの生活をしている高齢者もビジネスチャンスとしてあり得るのではないだろうか。十分に貯蓄が出来ず、厳しい生活をしている高齢者が多い。
そこでどうにかして、高齢者に資金を貸し、回収を行う。
一番難しい点は、定期的な十分な収入がないことだ。家族関係の調査や、キャッシュレス決済の履歴により中国のようにすぐに融資は可能になるかもしれない。
ただ、返す当てがないのだ。考えうるものといったら生命保険であったり、住んでいる建物、土地である。
色々考えてみたが、中々現実的な案が出てこない。もし、実現出来たら大きな需要がみこめるのであるが。