キリンがアサヒ猛追、ビール系シェア僅差に 1~6月(日経新聞)
[要約]
ビール系飲料大手4社(アサヒ、キリン、サントリー、サッポロ)の販売数量を日経新聞が独自に調査した。というのも、今までビール酒造組合などがデータを公表していたが、それを取りやめたからだ。
調査の結果、今まで首位だったアサヒビールにキリンビールが1.5ポイント差まで迫っていることが分かった。これには第3のビールやPBの受託などが好影響であったことが挙げられる。
しかし、ビール系飲料全体としては7年連続で前年を下回り続けている。
その一方で第3のビールの市場は2年連続で伸びており、第3のビールのシェアは拡大し続けている。今回初めて4割を超えたもようだ。
増税の影響もあり、消費者がさらに第3のビールへの関心が強まるとみて、各企業は注力している。
しかし収益構造上、高単価のビールが利益を押し上げている現状を考えると、第3のビールによる低価格帯競争によって収益力が低下してしまう。
この先「ビール離れ」をどのように食い止め、商品構成のバランスをとっていくか難しい状態に置かれている。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47009000V00C19A7TJC000/
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若者のビール離れの背景にはこの記事に書かれているように、節約志向が進んでいることというのは大きな要素の1つである。
根拠としては、100円台で気軽に酔えるいわゆるストロング系の商品の売り上げが伸びていることが挙げられる。
ただ、一番大きな要素は飲み方の変化ではないだろうか。
①飲み会においてのビール離れについて
おそらく昔では、大学生でも1杯目はビールを飲むのが決まりのような印象があり、おそらく本当にそうであっただろう。先輩の言うことは絶対であるというようなイメージだ。つまり、否応にもビールを飲まざるを得ない状況であったし、好きにならないといけないような雰囲気があった。
ただ、今はその飲み方はアルハラに代表されるように厳しく言われるようになってきた。無理にビールを勧めることは問題とされ、いくら先輩であろうと許されない時代になってきた。
つまり、言えることはもしかしたら、昔から今まで若者の嗜好はそれほど変わってはいないのではないかということだ。つまり苦いビールは無理に好きになる必要がなくなった。
もしかしたら、これが本来のビールとしての価値なのではないかと思う。今までは作られた嗜好だったのだ。
②そもそもの飲み会離れについて
次に、飲み会というイメージが悪くなっていることが挙げられる。
無理に先輩や上司に付きあわされ、つまらない自慢話や愚痴や説教を聞かされるというイメージが若者の中には多いのではないか。
もちろん、そういう迷惑な上司は一握りかもしれないが、SNSなどでそのような情報が共有され拡散される世の中では、少しの情報も多数派のように映ってしまう。
飲み会としての必要性も昔ほどなくなってきたこともあるのではないか。つまり、昔はコミュニケーションが重視され、人柄などで仕事を取ってきたりしてきたことも多かった。
また、チームとして団結することが大事だと一辺倒に教えられたのではないだろうか。
しかし、今の若者は個人としての価値を大事にしており、就職先の条件として自己成長を掲げている人は多いと思う。それにより人とのつながりを求める人は昔より少なくなったのではないか。
以上の2つの理由のように、ビールはここから晩回するには依然として難しい状況にある。