企業投資、最高の52兆円 昨年度 M&A・人手不足対応…「ため込む」から「使う」(日経新聞)
[要約]
日本の上場企業は2018年度に設備投資やM&Aにを表す「投資DF」が約52兆円と過去最高の資金を投じた。
特に非製造業で海外企業の買収が相次ぎ、小売りなどで人手不足に対応するための投資も増えた。
中国景気の減速が逆風になり、「営業CF」が減少しているなか、将来の成長に向けた投資を優先し、稼いだ以上に資金を使う「攻めの財務」を行っているといえる。
配当などの株主還元もさらに増え、日本企業の財務戦略は資金を「ため込む」から「使う」へとシフトしつつある。資産効率や収益力の改善につながる可能性がある。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190619&ng=DGKKZO46270850Y9A610C1MM8000
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不況に備えた資金の貯蓄より、消費を行うというのはとても良い状態になっていると思う。
投資が積極的に積極的に行われるようになると、その投資を受けた企業もまた、資金が集まり、他の企業へ投資するようになる。
そのような好循環が見られると、景気は上向くものである。
また、企業のお金の流れが激しくなると、企業の社員にもお金が流れやすくなる。すると、貯蓄傾向にある日本人でも消費額が増え、良い循環が起こるのではないか。
それに加え、若者も含め、投資に対する関心が非常に高まってきており、金融機関も力を入れている。それもうまくかみ合うようになると、まだまだ発展の余地があるのかもしれないと考えさせられる。
それではなぜ、中国景気が減速し、営業CFが減少している中、投資が過熱しているのだろうか?
一番大きな理由は、国際社会となり、外資系企業との競争が激しくなったことである。
近年、外資系企業の流入などで、日系企業の売上が厳しい状態となっている。
そこでは、今まで資金をためてきたような守りの経営ではそのような企業と戦えないと判断したのだろう。
海外では、先進的な技術に日々多額の研究費がつぎこまれている。
もはや、アメリカだけでなく中国や韓国のような他の国よりも技術的な面で日本は劣っている状態になりつつある。
このような状況を鑑みると、積極的な投資により、海外企業を買収したり大規模な設備投資を行うようになった。
また、株主還元が拡充したことも、支出が収入を上回っている原因の1つである。
というのも、投資家が増えることが予想され、自社をより魅力的にするために行っていることが考えられる。
もちろん、ただ投資を増やすだけでは企業経営が怪しくなる。いかにしてバランスよく、投資を出来るかがこの先の企業の命運を決めるだろう。