社会人0年目の自己満足

日経新聞、東洋経済、Newsweekなどの記事について、自分なりの考察をまとめていくための記録です。気軽に閲覧、コメントしてください。

資金繰り有事に備え、融資枠拡大 契約額最高の35兆円、景気不安映す 新興・地方でも需要(日経新聞)

[要約]

企業が銀行とあらかじめ契約した金額の範囲内でいつでもお金を借りることができる融資枠(コミットメントライン)が拡大している。

2018年半ばから契約額の増加ペースが上がり、19年4月は前年同月比9%増の35兆円で過去最高になった。

 

融資のたびに審査を受ける必要のないコミットメントラインは、資金繰りの有事に適しており、その急増は、景気の先行きへの不安心理を映し出している。

そのため、企業の景気観を表すDIと非常に連携している。

 

今回の拡大の理由は、中国景気の減速による輸出減や、米国の中国に対する関税措置によって先行き不透明感が出てきたからだ。

 

ただ、地銀にとってはコミットメントライン締結によって、実際に融資をしなくても契約手数料が支払われ、超低金利の中で貴重な収入源にもなっている。

 

https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190617&ng=DGKKZO46172350W9A610C1NN1000

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今回の記事で伝えられることは、景気が減速しているということである。

数か月前から景気判断が約6年ぶりに悪化するなど、景気減速の予兆は伝えられてきた。

また、先行指数も低下していることも考えると、あと1年で本格的景気減速が起きる可能性がある。

そんな中でこのニュースである。つまり、多くの指標において、昨年度よりも悪い結果が出てしまっているのだ。

 

コミットメントライン契約で融資を受けるタイミングは2つ考えられる。

 

まず1つは、売掛金の回収が滞り、資金不足に直面している場合だ

その際は一旦、その融資により運転資金を賄い、売掛金の回収を待つのである。

不安なことは、商品を卸している企業からの売掛金が滞っていることである。

つまり、川下の業者の売上・収益が悪化しているかもしれないということだ。商品サイクル的にたまたま用意できていないこともあるかもしれない。

ただ、川下から順番に景気に敏感に反応して、売り上げに影響していくと考えると、コミットメントラインの融資の増加は不安に駆られる要素である。

 

2つ目は景気減速等により、自分の会社の収益が悪化しそうな場合だ。

財務状況が良くないと融資の審査に通らなくなる可能性がある。期限内であれば融資を受けられるかもしれないが、過ぎるとまた新たに契約をし直さなければならないだろう。

すると、まだ十分に融資をしてもらえる段階で資金を集め、財務状況の悪化にも耐えられる状況を作ることが考えられる。

 

 

最後に、地銀にとってはコミットメントラインは貴重な収入源だという話があった。

もちろん、低金利やネットバンキングにより地銀の収入が少なくなる中、契約するだけで継続的な収入源になるのは助かるだろう。

 

ただ、私が上記に2つ書いたリスクについて考えなければ、資金を回収できずにより苦しい状況になるかもしれない。

 

契約金ほしさに、多くの企業からコミットメントライン契約を行い、融資を行う。しかし、景気減速を企業が感じると、その契約内で多額の融資を銀行に求めるであろう。それに加え、景気減速中であれば、資金が返ってこず債務不履行になるリスクも非常に高くなる。

より慎重な契約前の審査が必要になるだろう。

 

 

景気減速が多く報じられる中、政府はどのような対策を打つのか、本当に増税を行うのか、興味深い。