「強い欧州」復活へ賭け EU、50年に温暖化ガス実質ゼロ目標
[要約]
EUは2050年に域内の温暖化ガスの排出を実質ゼロにする目標に向けて動き出している。EUの行政執行機関トップの欧州委員長に就任したフォンデアライエン氏は上記のような目標を立てた。
その背景には5月下旬の欧州議会選がある。政治の怠慢を批判するデモが若者を中心に行われたのだ。将来の住環境を心配してのことだ。
そこで各国で環境政党が大きく票を伸ばし、影響力を与えているのだ。
ただしEU加盟国は一枚岩ではない。というのもポーランドやチェコのように電力需要の大半を石炭に依存している国では、電力構成の大転換が必要となるからだ。
そこには炭鉱などで働く人の雇用問題なども含まれている。
ただ条件付で賛成に回ることは十分にあろう。
もう1つの目標は、現在エネルギー需要の約半分を輸入に頼っているのを、再生エネルギーなどで自立することにより強い外交を実現しようということだ。
ただしこれらの目標達成のハードルは高く、50年と期限をつけることにも疑問の声が挙がっている。
なぜならば、域内の目標が厳しく、企業への環境規制が厳しすぎると企業や投資が海外に流出するという懸念があるからだ。
慎重姿勢の加盟国や産業界をどのように説得していくかがこれからの課題だ。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190807&ng=DGKKZO48277660W9A800C1EA1000
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この記事を読むと、環境意識の高さが伺える。
それも政治家たちがこうしようと言ったのではなく、各国民特に若者たちが政治家を動かしてこのような動きに持っていったのだ。
香港の「逃亡犯条例」を巡るデモにおいても若者主体で政治を動かそうとしている。
これらの例を見てみると、日本の若者とは全く違うことが分かるだろう。
どのように違うのかというと、シンプルにデモが少ないのだ。
デモがあったとしても高齢者が多く、内容も年金関係のことが多い。
なぜ少ないのか。まず、若者を3グループに分けて考えてみよう。
①若者が社会問題等に関心がない、自分の意見を持っていない人。
②関心はあるが、自分の意見を持っていない人。
③関心があり、自分の意見も持っている人。
今までは①の人が多いように感じられた。学校でも何が問題となってるのかわからない。また、ニュースや新聞などで報じられていても難しくて分からないと思っている人だ。
しかし、近年それが問題視されていて、②にシフトしてきたように思われる。それにはSNS等の発達により、いつでもどこでもわかりやすい説明を目にすることができるようになったからだ。
また、「選挙に行こう」と若者に積極的に呼びかけるようになったことも大きな理由だ。
ただ、現時点では多くの人が②止まりではないだろうか。例えば年金問題。社会保障問題、日本の外交問題などに確固とした自分の意見を持っている人はどれだけいるだろうか。おそらく1割ほどなのではないかという実感だ。
そこをクリアしてやっと③のステージに移行する。
そこから、デモのように意見を強く押し出すようなことが起きるのだ。
何かの1つ覚えのように、「選挙に行こう」と呼びかけるだけでは何も変わらない。自分で物事を理解し、自分の価値観のもとで判断する能力を養わなければならないのだ。
それがこれからの教育の在り方なのではないかと思われる。
すぐにシフトすることは難しい。ただこのままでは国全体として腐敗が進むだけだ。