旅行サイト、比較に焦りか 公取委、大手3社を調査 「横並び」要求でホテル縛る(日経新聞)
[要約]
大手旅行予約サイト3社(楽天トラベル、Expedia、booking.com)に対して、ホテルに不当な条件を課したとして、公正取引委員会が独占禁止法の疑いで調査をしている。
その背景には、トラベルコやトリップアドバイザーなどといった、「メタサーチ」が台頭していることがあり、それによって予約サイトが危機感を覚えていることがある。
いかにして自分の予約サイトで予約してもらうかを追求するにあたり、ホテル側に対して無理な値下げ要求をするようになった。
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO45743680V00C19A6EA1000/
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このニュースでは、大きなビジネスモデルの転換点であることが感じられる。
それは、私たちが旅行をする際に考える点の変化に対応してきたことではないか。
つまり、数年前までは私がホテルを予約する際には、最初にExpediaという予約サイトを選び、その中から旅行期間、場所、料金などの条件を入力する。
そして、出てきたホテルの中からより良いものを選ぶようにしていた。
それが今では、ホテルを選んでから旅行予約サイトを選ぶといったように逆の順序になっているのではないだろうか。
今では旅行先について軽く調べれば、周りの有名なホテルや、よさげな旅館などをすぐに発見することが出来る。
そして、それをメタサーチに検索にかけ、最も安く予約が出来るサイトで予約をするようになった。
このビジネスモデルの上流、下流の逆転のような現象は、非常に興味深いと感じた。
それは、この逆転現象は旅行予約サイトのみで起こっていることではないと感じるからだ。
例えば、家電などを買う際には価格ドットコムなどを使用することが多いだろう。そして一番安く買えるサイトからネット購入したり、店頭予約したりする。
このように希望小売価格などは決まっているものの、各店舗の努力によって売値を設定している商品は気軽に価格を比較される状態になった。
このような展開は他の業界にも波及していく可能性が存在する。
たくさん考えられるが、今回はレストラン業界、そしてその予約サイトについて考えられる。
現在、予約サイトは食べログ、ぐるなび、ホットペッパーなどいくつか存在する。そして、それぞれポイントや、割引クーポンなどで自分のサイトから予約してもらおうと努力している。また、予約できるコースや、料金もそれぞれ異なっている。
それが、今回の旅行予約業界のように、メタサーチの台頭の脅威にさらされたらどうなるだろうか。
考えられるのが、今回のニュースのように、最恵待遇を各レストランに求めるようになる。そしてその問題が表面化してくる。この現象は避けられないだろう。
どの業界においても、そこから抜け出すためにいかにしてルールの中で顧客を取り込むかが課題であり、解決できなければ他社に後れをとるだけだ。