いつ避難 「警戒レベル」難解? 九州豪雨、避難率は1%未満 同地域で異なる情報混在も(日経新聞)
[要約]
水害や土砂災害の非難に備え、5月末から5段階の「警戒レベル」が導入されている。
今までは非難における、「準備」「勧告」「指示」などの順番を正しく理解していた人が少なかった。
5段階の警戒レベルが導入されたのには危険度をシンプルに表示し、適切な行動を促すためだ。
ただし、しかし、6月下旬から7月上旬にかけての九州南部大雨の際に、警戒レベル4でも避難行動をとらなかった人が多かった。
避難率は0.43%と極めて低水準だ。
そこで、この5段階警戒レベルに対して疑問の声が複数挙がっている。
1つ目は、避難勧告と避難指示が同じレベル4であることだ。それによって非難を必ずしなければならないのか、それとも避難した方が良いという状態なのかという緊急性が分かりにくくなっている。
2つ目はレベル3以上における判断主体が市町村ごとに異なる点だ。
気象庁などが出す防災気象情報も「警戒レベル相当情報」として整理された。例えば大雨警報はレベル3といったような感じだ。
しかし、レベル3以上においては各市町村の判断により警戒レベルを発表するため、気象庁の情報と市町村の情報の2つが混在してしまうことになってしまう。
3つ目は記録的短時間大雨情報のように、まだ警戒レベルにあてはめられていないものもあり、様々な情報が統一できていないという現状だ。
ただ、その情報の受け手である我々が正しく理解し判断をしなければ、いくら精密であろうともそれらの情報は意味を持たない。それらをもとに適切な行動をとれるようにする必要がある。
https://www.nikkei.com/paper/article/?b=20190726&ng=DGKKZO47798280V20C19A7EA1000
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これからのシーズン、台風やゲリラ豪雨などによる災害が多発することが予想される。
その際、私たちは状況に応じた判断、行動が出来るだろうか。
自信をもってYesと答えられる人は案外少ないのではないかと思う。
特に今までそのような災害にあったことがない人は、避難経路・避難場所も十分に知らない人も少なくはないと思う。
テレビなどで対策をしましょうなど呼びかけを行っていることも、どこか他人事のように感じている人が多い。
かくいう自分もそうであった。
そのような人々がいざ災害に巻き込まれたときに正しい行動が出来るはずがない。
災害に巻き込まれた時に、私たちが行うことは
①災害が起こっているという情報の取得・認識
②今から何をするべきかという判断
③実際に避難や自宅待機するなどの行動
という順番で行う。
仮に警戒レベルの設定が精密になり、正しい情報が瞬時に得られるようになったとしよう。それらの情報が補えるのは、いくら頑張っても①②の認識、どうするかの判断までである。
③の行動まではどうしてもコントロールすることは出来ない。
確かに記事に合ったような警戒レベルにおける脆弱性は的を得ていると思う。もちろん解決すべき問題であると思う。しかし根本的な解決にはならない。
第一目標は、人命の確保・救助であり、正しい情報を届けるというのはその手段にしか過ぎないからだ。
ではどうするか。心の準備をしておくことが無根拠ながらも有効ではないかと思う。
なぜ、避難できないかや避難し遅れるかを考えた際の一番大きな枷は、急にその状況に陥ったという混乱・焦り・恐怖という感情だと思う。
今の避難所に高齢者がたくさんいることを考えると、身体的に動けないからという理由は少ないのではないか。
ではその感情をいかにコントロールするか。普段から準備しておくことにほかならない。だからこそ、メディアでは耳が腐るほど避難準備を呼びかけている。
今でも世界中ではどこかしらで災害が起こっている。日本もこの先増えていく。
明日は我が身だと思い、準備できるかどうか。
それだけで命が守られるものならば安いものだろう。